こんにちは。
今回は、幸運にも巡り合ったマイホーム用土地についての第2弾。
条件を満たしていたからといって、浮かれてかばりもいられません。そこに建物を建て住むとなれば当然、良い点もあれば不利な点もあります。不利な点を消化・納得していかないことには前向きには進みません。今回はその不利な点をご紹介していきます。
この土地の持つ不利な点
この界隈で土地を探していた以上、ほとんどの要素はおよそ想定できていましたが、下記のような点が挙げられました。それぞれについて「施主」「現場監督」としての各問題点や、それをできるだけポジティブにクリアするために考えた事を書いていきます。
とりあえず道が狭い!
まぁ絶対そうだと思っていましたがそうでした。前面道路やそこに入ってくる進入口が圧倒的に狭い。車一台なんとか通っていく程度。しかも一通ではない。大きなトラックはムリ。そのわりに抜け道や通学路になっているのと、すぐそばにデイサービス施設がありその関係車両の往来もあって、交通量がけっこう多い。
施主としての問題点1:わが子が危ない
敷地は変形地ですし、そんなに広くもないので、建物がけっこう敷地いっぱいに建つのは分かっていました。そうすると宅地内から急に道路に飛び出したりする可能性も想定できます。
→ポジティブポイント:外構計画などで、飛び出しにくいようできるだけ配慮する。子供の行動には十分気をつけ、指導しよう。
施主としての問題点2:マイカーの置場所などで建物計画に制限が出る
変なところに駐車場を計画してしまうと、道が狭くて車が駐車できないとか、何回も切り返して出し入れしにくいことになることが安易に想定できるくらいの立地でした。でもそれを優先しすぎると、建物の配置や形状、間取りなどが大きく制限されてしまう。
→ポジティブポイント:「駐車」と「建物」、両方に折り合いの付く、それでいて最適なプランを何とか考えよう。最悪、軽に乗り換えよう。
これについては後々も、現地で何度も実際に車を出し入れしたりして、確認しながら計画していきました。
現場監督としての問題点:工事としては相当やりづらい
職人さんなどの車は付近の駐車場を借りて停めますが、工事の中にはコンクリートの作業やレッカー車、それから各搬入出の車両など、絶対にその場所に車両を停めないとできない作業がしょっちゅうあります。(もちろんそうでない方法もありますが、甚大な費用がかかってしまいます。)
道幅が狭く交通量が多いということは、そこに車両を一時的にでも停めておくことは不可能となりますし、通行止めにできるような道でもありませんでした。建物に対して敷地が広ければ、そこに車両を乗り入れればよいのですが、我が家にはあってもマイカー1台ギリギリ入る程度の残地しかきっとない。工事用の足場が建てば、なおさらスペースは残らない。しかしそこをどれだけ有効に生かすかがポイントになってきます。
あと、安全確保や近隣対策として、ガードマンの配置は必須でした。しかもかなりの頻度で。当然その分の予算がかさみます。「施主」の立場としても抑えるものは抑えたい。でもこればっかりは仕方ありません。
※ちなみに自宅建設において、「施主」であり「現場監督」であるぼくが最も懸念していたことは、「これから住む場所の近隣さんに迷惑をかけてしまう」ことです。もし何か起これば、これからそこに住む施主自身が工事責任者として謝罪しにいかなければなりません。こんなにバツの悪い話はありませんよ。本当に、そうならないように、そうならないように、最大限の注意を払いながら工事も進んでいくことになります。
…それでも恐れていたことは起こってしまいます。…その話はまた後日。
さておき、
→ポジティブポイント:車が入って来れるだけまだマシ!もっと難易度の高い現場はいくらでもある。安全確保にガードマンはやむなし。できるだけ知恵を振り絞って、近隣と安全対策を図りつつ低予算を実現しよう!
そして、道が狭いということは次のような弊害を生みます。
セットバック
これも絶対そうだろうと思っていましたがそうでした。
ご存知かもしれませんが、「セットバック」とは道路後退ともいって、敷地に建築物を建てたり建て替えたりする際に、その前面道路が建築基準法上の道路であって幅員4m無い場合(二項道路といい、6mの所もあります)、その道路の中心線から2m下がった所まで敷地境界線を後退させなさいというシステムです。つまりはお向かいに家がある場合、そこもいつかは同じ分だけ敷地を後退させて、合計で4mの道路にしてねというものです。
前回、敷地の大きさは43坪と書きましたが、登記簿上は45.5坪です。つまりその差2.5坪(約8.2㎡)をセットバックによって失うという事です。2.5坪ってけっこう大きいですよね、お風呂場2個分以上あります。我が家の場合は接道の長い南西側の道がその二項道路で、セットバックの奥行きとしては約65cmも下がってしまうのでした。
【結果的な話でいうと、失うといってもその扱いは行政によって様々で、ウチの場合は登記簿上はそのままの大きさで残っています。そのセットバック部分をいわゆる私道として持っていることになりますので、その分の税金も払っています。セットバック部分を分筆して、市に移管するということももちろんできるのですが、その分筆費用などに見合う対価も得れなさそうでしたし、その他ややこしい理由もあってこうしました。
セットバック部分は民法上は我が家のものであっても、建築基準法上は道路です。なので現実に縁石で区切ってアスファルト敷いて道路にしなければいけなかったですし、その費用も自前です。現実道路なので、そこはウチの敷地ですよと言い張ることもできません…。】
施主としての問題点1:家が小さくなる
建築基準法上の敷地が小さくなれば、そこに建てられる建物の大きさの限界も小さくなります。
→ポジティブポイント:この狭い道路が少しでも広くなるんだからいいか。建物はそれでいて納得のいくものを考えよう。そもそもこのエリアで、セットバックの無い土地を探すほうが難しいかも…。
施主としての問題点2:セットバック部分を道路化する工事費がかかる
後退ラインを測量しポイントを明示する費用、縁石で区切ってアスファルト舗装する費用、なんだか納得いかないですけど…。
→ポジティブポイント:でもどうしようもないし。その前提で建築確認が下りる訳だし。
現場監督としての問題点:これは問題なし
→ポジティブポイント:セットバックラインより建物が出ることはないし、セットバック部分65cmは工事中は敷地として使える。つまり狭い道路幅に対して、その部分を有効に使っていけるという、前向きな考え方でいこう!
隅切り
「隅切り」とは、建築などの際、敷地が角地の場合にそのコーナー部分からそれぞれ2mとった三角部分を、道路として明け渡しなさいというものです。(すでに隅切りが行われている敷地や、もともとそのように区画されている場合は不要です。)
我が家の場合はこれが約2㎡。もともとカドがとれたような形状なのに、さらにそこから隅切り。しかも最も駐車スペースの一部として計画しそうな場所でした。
ウチの場合は特殊で、その角の部分に大きな電柱が建っているのと、北側の道路境界部分は水路というか溝になっていて、仮にこの三角を明け渡しても、道路の一部としては全く使えないでしょ、というな状況でした。
これについては最終的に、行政との協議の結果、三角は我が家の敷地としてもったまま、車もこの部分にかかって停めてよい。ただし、建物はもちろん、外構の塀やカーポートなどの構造物は三角部分にはみ出して作ってはダメという話に落ち着きました。
ですので結果的に、これについては「施主」「現場監督」ともに特に問題点はありません。外構計画の際に、ここにはみ出さないよう注意しようという事ぐらいです。
次いきます。
下水道が通ってない。浄化槽の設置
つらいですよね。まず浄化槽の申請や設置にウン十万円かかります。そしてその設置場所の確保。そしてその後の維持管理費。さらには、まぁこれは当分ないのですけど、実際に下水が通った時にその引き込みの費用負担など。
施主としての問題点:もちろんその費用とその後の煩わしさ
これは現在の感想ですが、駐車スペースに浄化槽を埋設しているため、汲み取りや清掃・点検のたびに車を移動しないといけない。それとやっぱり維持管理費がバカにならない。
→ポジティブポイント:納得…するしかないですよね。そのようなエリアを自ら選ぶんだから。
現場監督としての問題点:特になし
別途専門業者の施工工程が増えることくらいでしょうか。
電柱
こやつです。
電柱というのは、建築などの際、それが電力会社のものであれ、電話会社のものであれ、事情がある場合(敷地の間口のいやらしい部分に建っていて、計画する駐車場から車が出にくいなど)は、自分の敷地の間口内であれば移設してくれます。しかし、これだけピンポイントな場所で、四方八方へ各家庭へのライフラインが拡がっている電柱を動かすことは相当難しいというか、ここ以外に移設する場所など思い付きませんでした。それにきっと何十年もここに建っている電柱なんでしょうしね。
施主としての問題点:入居後駐車がしにくい、とやはりその見た目
マイカーの駐車スペースについては、多分この敷地の角部分だろうな、とおよそ思っていました(その後、それ以外の場所も死ぬほど検討しましたが)。そうなった時に、この電柱はすごく駐車に干渉しそうでした。あと見た目についても、そりゃ無いほうがスッキリしますよね…。でも動かすとしても自分の敷地のどこかですから、これは一緒ですよね。
→ポジティブポイント:モニュメントだと思おう!
現場監督としての問題点:電線が邪魔!
建築にはレッカーやユニックで資材を吊り下ろす作業があります。道路から建物に向けてこれらの作業をする時に、道路境界付近を電線が走っているとその障害となることが多々あります。
→ポジティブポイント:日常茶飯事。そもそも道が狭いので、道路側からのレッカー作業はまずできない。違う方法を駆使して乗り切ろう。
まとめ 土地購入!
とまぁ、こんなとこだったでしょうか。
それ以外にも追々気付くことはありましたが、このようにして問題点と前向きに向き合い、納得した上で、土地購入に踏み切るわけでした。
さて次回は、土地編の最後として、土地購入にあたり1点トラブルがあったので、それをご紹介したいと思います。
ご拝読ありがとうございました!