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第40話 施工編 『外壁工事part.2』

こんにちは。

またまた滞ってしまいました…、早いとこ最後までいかないと、記憶がどんどん薄れていって、記録の意味がなくなってしまうのは分かっているんですけど…。

さてさて今回は外壁工事の続きです。

モルタル壁のラス・左官工事

ラス3

モルタル・塗装仕上げの外壁部分に「通気ラス」が施工されました。順序でいいますと、透湿防水シート→通気胴縁→通気ラス→モルタル→塗装 となります。写真の金網のようなものを「ラス」と言い、モルタルを施工していく時の引っ掛かりというか、骨組みのような役割を果たしますが、この「通気ラス」は、その金網とシートが一体となっており、先述の通気胴縁に固定していく事によって、その裏側の通気を確保できるというものです。

ラス1

このシートは2次防水的な意味合いもありますが、肝心なのは最初の透湿防水シートですので、これがあるから安心という訳では決してありません。

このようにして、この後モルタルが施工されてゆきます。

こんな写真しかなくて申し訳ないのですが、外壁モルタルが施工された様子。左官材料は通気工法メーカー指定のものですが、いわゆる軽量既調合モルタルの類です。その表面にグラスファイバーネット張りという仕様です。

外壁モルタル施工の注意点としては、製品仕様や気候に応じて正しい施工方法やその工程を守る事。そして何より、施工後~仕上げ(塗装等)までに「養生期間」をきっちり取ること、つまりしっかり乾燥させるという事です。昨今は製品も改良され、必要な養生期間も短縮できるようになってきていますが、これを突貫工事などでさらにむやみに短縮してしまうと痛い目に合います。具体的には、モルタルは乾燥していく過程で収縮しクラックを発生させますので、施工後それらが概ねおさまる(乾燥しきる)前に仕上げを施してしまうと、その後も続くモルタルの変化に仕上げ材が悪影響を受けてしまい、クラックや付着不良などの問題を起こしてしまいます。

外壁モルタル施工後に発生する収縮クラックは悪いものではありません(あまり大きいものや多すぎるのは別ですが)。大切なのは、そのクラックが概ね出切るまで待ち、必要な箇所は補修を加えた上で仕上げを施工するという事です。我が家の場合は、施工時期が12月で冬季でしたし、年末年始を挟んで余裕もみて20日ほど養生していますが、これらは地域や気候・日当たり、製品の仕様によって考慮が必要です。

まぁ、こうはいっても、モルタルというかセメント系で全くクラックの発生しない材料なんてありません。伸縮は少なからず常にありますし、必然的に経年や揺れなどで徐々にクラックは増えていきます。必要あれば部分補修したり、ひどくなれば再塗装であるとか、いずれメンテナンスは必須です。モルタルとはそういうものです。

板張り壁の下地サイディング工事

下地サイディング

こちらは板張り部分の外壁の下地サイディングです。順序としては、透湿防水シート→通気胴縁→下地サイディング→引っ掛け金物→ウッドサイディング(無垢板)です。要は普通に一度サイディングを仕上げた後に、木板を施工するみたいな感じです。このような施工方法等によって防火認定を取っている商品な訳です。

製品によっては、防水シート+胴縁に、直接木板を施工するパターンもありますが、それに比べると防水的には安心です。

ウッドサイディング(無垢板)については、ちょっと施工中の写真がないのですが、専用のサネ加工されたヒノキの無垢板をタテ張りします。無塗装品なので、現場で裏側も塗装した上で施工してゆきます。仕上がりはまた竣工時の写真で…。

↓外観イメージパース

外観パース2

外壁工事全般として

各ひとつひとつの工程ももちろんなんですが、現場監督として留意していたのは、外壁の仕上げが「モルタル塗装」と「ウッドサイディング」の組み合わせなので、各工程の順序やその取り合い部分の納まりに注意しないといけないという事です。

例えば、上のパース図でいいますと、バルコニーのモルタル壁(白)より、その下のウッドサイディングのほうが厚みが出てくる(出っぱってくる)ので、取り合い部分には水切り板金を入れて納めているなどですね。

住宅では多々ある事で、当たり前なんですが、設計者が何も考えていないと、成り行きで納まってしまったりして、性能的にも美観的にもマズイ事になりますので、計画段階から考えておく必要があります。

さてさて、そんなこんなで外壁工事も完成へ近づいてきました。今回はこのあたりで。

ありがとうございました!