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第37話 施工・仕様編 『フローリング』

フローリング イラスト

こんにちは。

現場監督のマイホーム、外部と同じく、内部の造作も進んでいきます。

今回は、床張り フローリング工事について。

まずは…

床暖房工事

床暖

床張りの前にこれが必要です。我が家はガス温水式床暖房をリビングとダイニングに計画。マットが施工されました。

後述しますが、我が家は無垢フローリングを採用しています。ですので、その中でも床暖房タイプをセレクトしなければいけない(もちろん合板フローリングもそうですが)という点と、床暖房のマットの上には、好き勝手にフローリングを貼ることはできないという条件がありました。

マニアックな話かもしれませんが、例えばガス温水式床暖房ですと、マットにはその温水を通わせるチューブがたくさん仕込まれています。ですのでフローリングを施工する釘がこれを貫通すると絶対ダメな訳です。そこでマットには、釘打ちのための下地桟が組み込まれていまして(写真で緑のラインがお分かりでしょうか?)、フローリングはこの下地桟のピッチに合わせて割付するという事になります。逆に言えば、フローリングの割付を先に考えた上でマットの正確な位置を決定する場合が多いです。でないと、全く闇雲に置いたマットに合わせてフローリングを張っていったら、部屋の隅とかにすごく中途半端な割付が発生してしまう、およびその分の部材ロスが出たりするからです。

(例外として、マット上で釘は使用できず、接着剤のみでフローリングを施工しなければいけない電気式マットで、割付け無視のパターンもあります。)

場合によっては、このあたりの事情を知らずマットの位置が計画されており、施主さんに説明なく、現場でマット位置の調整が行われたりすると、「指示していたマットの位置とズレている!張り直し!!」という例もよく目の当たりにしました。

そして無垢フローリングの場合、規格サイズが一般的な合板フローリングと違って、サイズや張り方が色々あるわけでして、乱張りといって規則性なくランダムに仕上げて、ナチュラルな感じを醸し出すこともできるのですが、上記の場合ですとそれができないという事です。

板材の端部などは特に釘固定しなければいけませんから、マットの下地ピッチに合わせた、ある程度規則性のある張り方になってしまうという事ですね。

どうでもいい話をどうもすみません…。

床仕上げの仕様決め

さて、内装の床仕上げですが、とっても悩んだ記憶があります。壁・天井と同じく、床部分も家の中で大きな面積を占める要素です。仕事面でも個人的にも、いろいろな床仕上げを見てきました。そんな無数の選択肢の中から我が家では、

・居室全般、2Fホール…木製無垢フローリング

・1Fホール、1Fトイレ…フロアタイル

・洗面室、2Fトイレ…クッションフロア

・防音室…コルクタイル

・タタミコーナー…半畳タタミ

・玄関…砂利石 洗い出し

一時は、却下になった磁器タイルなどのプランもありましたが、最終的にこのようなセレクトとなりました。

1Fホールは、当初の夢見るプランのなごりもあって、スケルトン階段とピアノとか、小さくても少しヨソ行きな、独立した空間を演出したかったので、LDKとは縁を切って紺色系のフロアタイルを貼る計画としました。

1Fホール2

そしてフローリングですが、

無垢フローリング

まずは1階。

チーク1

チークです。チークでかつ床暖房タイプのものは高額で、予算の割り振りにすごく悩んだのですが、思い入れもあって決めてしまいました。ミツロウ仕上げタイプのものです。

こういうのはこまめな手入れが好きな人向けですね。ぼくは決してそうではないので、実際もったいないと思うのですが、現在のところ(4年経過(笑))何もしていません。とくに気にならないというか…。ホントは年に1回でも保護塗料を塗り直すべきですね。そのうちしよう…。

チーク2

無垢フローリングあるあるとして、工事中 養生材で覆っている部分と、はしっこの露出している部分で色が多少変わってしまうんですよね。時期にもよりますが、露出しているほうが日に焼けるというか。じきに目立たなくなりますけど。あと、養生材の固定にテープはダメです。良い経験が無いです。

そして2階。

メイプル1

こちらはメープル。継ぎはぎで、節なども多いワイルドタイプで、無垢の中ではできるだけ安いものを選びました。2階ですし、そんなにこだわるポイントもなかったので、明るい色目と偏見イメージで選びました。でもとても気に入っています。

これらの樹種を選んだ理由は、もちろん好みもありますが、まずは広葉樹、堅木だという事です。自然素材系の家でもないので、杉・ヒノキなどの傷の付きやすい針葉樹は候補からはずれましたし、モダンでもスタイリッシュでもなく、温かい感じの内観イメージだったので、ちょうどこれらがしっくりきたという感じです。

無垢フローリングにした理由

木製フローリングも最近は色々ありますよね。完全に無垢ではなくても、合板に突板や挽板を貼ったものとか。風合いもあり、施工性やメンテナンス性もあり、価格も手頃だったり。

そんな中 無垢を選んだ一番の理由としては、カラーフローリングと比較して、傷が目立たないということでしょうか。全くの主観ですが、小さい子供もいますし、当たり前のように傷が付くので、無垢で光沢の無いものでしたら、それがあんまり目立たないというか、傷や汚れさえも自然に見えるんじゃないかと思いまして(笑)。でも実際暮らしてみるとホントにそうで、もはや傷だらけで、よく見れば「うわっ」てなりますけど、パッと見、普段気になるような事はないです。気にしてないだけかもしれませんが。

これは仕事の影響もあるのだと思います。もちろん床だけではありませんが、竣工時に細かくチェックして事前に補修したり、施主検査でチェックしていただいたり。そういうので傷を見ること、見付ける事に慣れていたので、せめて自宅の床はそういうのが気にならないようにしたいなぁと思ったんですね。ちょっと一種の職業病的な。

余談ですが、品質管理をシビアに求められるご時世で、中には床に這いつくばって傷をチェックされる施主さんもおられました。「お子さんもおられるし、住んだらすぐ傷だらけになるだろうけどなー」と思いながら立ち会っていますと、一緒に来られていたお子さんが持ってきていたおもちゃを床にガーンみたいな(笑)。

頻繁に傷を探す、または指摘されるような作業を繰り返していると病んでしまうんでしょうね。もちろん新築で引き渡し時に傷が残っているのはダメなんですけど、住みだすとすぐに傷が付くのは当たり前です。なのにそこに傷があること自体が悪に思えてくるというか(笑)、何とかしないといけないと考えてしまうというか…。カラーフローリングでぴかっとした物などは特に傷が目立つというか、いかにも「傷!」っていう感じがするので避けたかったという想いがあったと思います。

まぁ今では、家中の傷も汚れもクロスの隙間も全然気になりません(笑)。もともと自分の事には無頓着で、神経質なほうでは全然ないんです。

話が長くなってしまいましたが、あとは完全に憧れと好みです。やはりその風合いや足ざわりは実際暮らしていても良いものですし、大工さんが幅の狭い板を1枚1枚張ってくれたという意味で満足感や愛着を得たかったのかもしれません。

無垢フローリングの注意点

無垢フローリングを選ぶ場合は、そのデメリットも視野にいれておかないといけません。ぼくのように憧れや漠然とした良さだけで選んではダメです(笑)。

デメリットと考えるかは人それぞれですし、挙げればたくさんありますが、大きくは2つ。

・メンテナンス

もともとウレタン等の耐久性のある塗装がされていたり、木肌そのものの質感を活かす素材であるとか、メンテナンスがあまり必要ない場合もあるでしょうが、そうでないものは定期的に保護塗料を施すと、汚れにくく長持ちします。無塗装のものはもちろんですし、もともとオイルやミツロウが塗装されているものも定期的に塗り直すのがベストです。竣工時に無塗装のものを、最初にご自身で着色兼 保護用のオイルなどを塗られる人も多いですね。

塗料が乾く時間もかかるし、子供もいるし、家具の移動も大変で、いつまで経っても腰が上がらない…というぼくのような方は、なるべく手のかからないものを選んだほうが良いでしょう。

また、傷が目立たないかもと先述しましたが、傷が付いた時に直したいと思ったときに補修しにくいという点もあります。表面が実際の木ではなかったり、かっちりコーティングされたようなカラーフローリングですと、割と大きな傷でも、費用さえ出せば補修屋さんがけっこうきれいに修復します。無垢の場合は木そのものですので、仮にその時に目立たなく補修したとしても日が経つと変色して目立ってきます。ですが逆に無垢は、ちょっとした傷ならサンドペーパーで均して、また塗装してしまえば綺麗になるという利点があります。杉などの柔らかい樹種は、ちょっとしたくぼみなら、水を含ませると膨らんで元通りなんて方法もありますし。

・木材の性質

デメリットではないですが無垢材ゆえに発生する木材の動きや痛みがあります。例えば時期によって伸び縮みしますので、隙間が大きく開いたり、逆に板どうしが干渉して盛り上がったり。干渉のほうは、製品に応じて施工要領があったりするので、必要な隙間をもともと空けて施工したりしますが、それでも起こる場合もあります。

あと針葉樹などは特に、経年などでヒビやささくれ、割れが起こったりしますので、怪我をしないような対処が必要な時もあります。

それと「鳴り」です。木の性質上、および細長い板をたくさん張り合わせるという施工方法からしても、どこかしらキシミは発生します。接着剤を使う・使わないとか、施工手順や考え方は様々ですが、いずれにしても木とはそういうものですし、施工不良によるもの以外は仕方のないことで、言い換えれば木独特の良さです。合板フローリングの床鳴りはぼくもイヤですが、こういう素材でも床鳴りは気になるという方は、無垢は選ばれないほうが無難です。

無垢フローリングの購入ルート

当時 工務店に勤めていたぼくですが、実はネットで探して購入しました。しかも、チークとメープル、別々のショップで買いました。いわゆる施主支給というやつですね。

工務店ですから仕入れルートはいくらでもありますし、物によってはそのほうが全然安かったりするのですが、ぼくの探していたものは、ネット経由のほうが希望にもあっていて安かったというだけです。そういうケースは多いですよね。最近では施主さんがネットや量販店で買って支給されるというのは珍しくないですし。

ただフローリング等の建材系は買って持って来るのは無理ですし、その手配は注意が必要です。ぼくの場合も、会社経由で商社へ段取りするのとは違い、現場搬入の際にトラックから荷降ろししないといけなかったりしました。もしそういったパターンを検討されている方がおられたら、そのような個別の条件にも注意されたほうが良いかもしれませんね。

以上、長くなってしまいましたが、フローリングの項はこのへんで。

ありがとうございました!!