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第35話 施工・計画編 『設備打合わせ~工事』

打合せイラスト

こんにちは。

建方工事が完了し、ひとまず雨がしのげる状態まで作業が進むと、内部の造作や外壁工事が始まってゆきますが、その前に行われるのが設備工事(電気・水道・ガスなどの配線・配管工事)です。このような配線・配管作業を、竣工時の器具取付けなどの「仕上げ」という作業に対して、「仕込み」と呼んだりします。

この事前の配線・配管工事が済まない事には、内部も外部も各工程が進んでいかない訳ですね。という事は、設備工事の前にその計画内容をきっちり確定しておく必要があるという事です。

そのために注文住宅の現場でよく行われるのが、「設備打ち合わせ」もしくは「上棟打ち合わせ」などと呼ばれるものです。

設備打ち合わせ

設備打ち合わせは、それまで図面上などで打ち合わせてきた設備計画を、実際に建ち上がった建物の中で、そのスケール感を体感しながら、施主さんと工事関係者が立ち会って、最終確認・決定する場となります。分かりやすい例でいうと、電気のスイッチやコンセントの位置や高さを、現場に仮付けされたコンセントボックス等を実際に見ながら確認したります。

確認作業の主となるのはやはり電気関係でしょうか。水廻りやガス機器などについてもももちろん確認しますが、この時点で機器などの大掛かりな変更となってしまっては中々大変ですので、それらは事前にきっちり固めておくべき事項だとお考えください。

それぞれ決定していく大雑把な内容としては、

・電気関係…スイッチ・コンセント、分電盤・インターホンなどの位置や詳細、各照明の位置やその種類(天井引っ掛けタイプなのか、埋め込みタイプなのか、壁付タイプなのかなど)。施主さんが照明器具を購入・取付けされる場合も多いかと思いますが、その場合でもどんな照明器具なのかは配線や下地に関係しますので、上記のような種類だけでも決定しておく必要があります。また、シーリングファンやシャンデリアタイプの照明など大きな機器が付く予定の場合は、しっかりとした下地が必要となりますので、製品の詳細をきっちり伝えておく必要があります。

・換気関係…各換気扇や給気口の位置や仕様

・消防関係…新築戸建てでは最低でも熱感知器・煙感知器の設置義務がありますのでそれらの位置確認。

・通信関係…LANやテレビ、電話などの使用箇所や入線の有無など。契約される通信会社(プロバイダーなのがケーブルなのかとか)や、テレビ等(プロバイダーなのかアンテナなのかケーブルなのか)についてもこの時点で決めておくのがベストです。これらについては以前少し書きましたのでご参考程度に。

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・給排水関係…浴室やキッチン、トイレや洗面など水廻り一式の厳密な位置やその仕様詳細。製品ごとにその配管位置などが異なりますので、商品がきっちり決まっている必要があります。その他、タオル掛けや紙巻器、鏡などアクセサリー類も壁に下地が必要ですので、要望に抜けがないかも含め、位置などしっかり打ち合わせします。また、追加的な水栓(例えばバルコニーや屋外など)が必要ないかなども合わせて確認します。

・ガス関係…コンロ仕様やガスコック位置や数、給湯器やリモコンの位置、ガス床暖房があればそのパネル位置も決めます。

・空調関係…各エアコンやそのコンセントの位置(特に200V)。天井埋込型や、配管を隠蔽したりする場合はさらに事前の根本的な計画が必要です。そして室外機や屋外配管も含めて、誰がどこまでを工事するのかの取り決め(建築なのか家電業者なのか)も重要です。それによってエアコン用スリーブを建築中に施工する場合は、具体的なエアコン製品詳細も必要です。

・太陽光、セキュリティ、などなど…我が家にはないですが、扱う設備に関するものは各詳細を決定します。

このように設備関係がメインとなりますが、同様にこの時点で各種造作の内容、カウンターや棚の高さ、建具の勝手、後で何かを取り付ける場合は、壁や天井のどこに下地がいるのか等、木工事についてもしかっり確認・打合わせしておくのがベストです。この時に限りませんが、打合せや変更のあった内容については、議事録としてもらっておくのも大切です。

あくまで現場の打合わせは、これらの内容の最終確認の場となりますので、それ以降の作業で配線・配管がどんどん隠蔽されていくと、やっぱり変更したいと思っても後戻りできなくなっていきます。できますけど、やり替えとなると費用が発生し、工期の遅れにもつながります。ですので、それ以前にできるだけ煮詰めておく事と、現場確認で気になったり引っ掛かったりした事項は、遠慮せずにその時に変更や追加を希望し、とことん打ち合わせ・きっちり納得した上で、確定しておくことをお勧めします。

とかなんとか偉そうな事を言い連ねておいて、一体自分はどうだったんだといいますと…

我が家の場合

バタバタでした…。なんとか設備打ち合わせ前日に、電気屋さんに図面を送ったりして。

なにぶん自分で考えているのもあって、事前にじっくり煮詰めておけたかというと決してそんな事はなく、「えーい、あとは現場で考えよう!」という具合に、半ばぶっつけで打ち合わせに臨んだのでありました。

その時に作成した電気図面がこちらです。

電気図1F

電気図2F

仕事上、見慣れている電気図面も、自分で書いたのはこの時が最初で最後です。素人が書いたのが丸分かりの図面かもしれませんが、ぼくは文系なので(どこが!?)、電気系はなかなかに苦手です。書いてていて頭がこんがらがってしまうのを、何とかして書いたような覚えがあります(笑)。

例えばインテリアまたは住環境という側面での照明計画などは、ある程度それまでに勉強しましたし、業務上も経験として体感していたこともあったので、それらを踏まえて落とし込んでいったつもりだったのですが、実際にそれらを理想的に具現化させていく作業は難しいものがあります。やはり、その道にはその道のプロがいるという事です。

プランとしては、照明だけの例でいいますと、ほぼダウンライトで構成された多灯式の全般照明レイアウトとし、アクセントやプラスアルファとして局部照明や間接照明を採用するというような計画になっています。現在ではよくある構成だと思いますが、例えばLDKで多灯構成にしている理由は、局部照明だけで構成される場合に比べて、空間全体が明るいとか、それが必要ない時は、各照明をある程度細かく操作できるようにする事によって、そのON/OFFで場所場所の明るさを調節できるメリットがあると思ったからです。

これは実際暮らしてみて、良かったと思っています。そのようにシチュエーションに合わせて調節する機会も多いですし、その汎用性もあります。

でもデメリットもあります。ズバリ全部一気に点灯・消灯させたい時、スイッチが多い。まぁそれらを集約してON/OFFさせる事もできるんですけど、そこまでしなかったので…。最近はライトコントロール技術も盛んですので、我が家のようなスイッチだけによるものではなく、集中コントローラーで箇所ごとの照度を変えたり、それらのパターンをプログラミングさせたりと、やろうと思えば便利なものはいくらでも作れる訳ですけど、まぁどこまでするかですよね。

で、我が家の場合、そういったスイッチ操作を余計ややこしくしてしまった要素があります。それがこちらです。

スイッチ

ステンレスプレートタイプではありますが、いわゆる昔ながらのスイッチ(コンセントも)ですね。この業務用ぽいというか店舗っぽい、無骨な感じがずっと好きでして。。。

今の住宅用のスイッチって、ユニバーサルデザイン的な視点からも、ワイドって言いましてて、ハンドル(操作部)自体もっと大きくて(スイッチではなくボタンですね)、操作箇所のネームが入ってたりするものがほとんどなんです。

ですけど我が家は上のタイプにしちゃったもんですから、スイッチが多い割りに、それがどこのスイッチか分からない(笑)。もちろんこのタイプでネームが入るものもあるんですけど、それだとこのデザインをあえて選んだ意味が薄れるなぁと思って、こうなってる訳なんですけれど…。

当初は奥さんも「わかりにくいなー」って感じでしたし、「こんなん使い出したらすぐ慣れるやろー」と言っていたぼくも竣工後4年経った今、ようやくマスターしつつあります。いや、一度「こうだ!」ってインプットしてしまえば多分すぐ覚えるんですよ、きっと。でもそこに至るまでに、無意味にパチパチパチパチしてましたね…(笑)。

結論としては、気に入ってるんですよ、とても。

話が逸れていきましたが、設備打ち合わせには妻とで参加し、おもには電気屋さんと細かな内容を詰めていきました。ぼくもそうではあるんですが、特に奥さんには実際の建物のスケールで電気や水周りの使い勝手を確認してもらうのが最優先です。あれこれ言いながらも何とか打ち合わせはまとまってゆきました。

ぼくの拙い図面をもとに、「それならこうしたほうが良いよ」とか「こういう方法もあるよ」と、親身にアドバイスしてくれた馴染みの電気屋さんには感謝です。持つべきはその道のプロの仲間です。

そんな訳で、設備計画もとりあえずは何とか予定通りに決定し、配線・配管の仕込み工事が進んでゆくのでありました。

設備など

分かりにくいですが、配線・配管工事が進んでいっている現場。断熱材が搬入されています。

それでは今回はこのあたりで、また次回に。

どうもありがとうございました!!