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第21話 計画編 『設備』

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家断面イラスト2

こんにちは。

今回は我が家の「設備」の計画について、その考え方や建物を計画する上で注意した点について書こうと思います。

ここでいう「設備」とは、キッチン・風呂などの個々の「住宅設備機器」商品とは別に、「電気」「水道」「ガス」「空調」「換気」「照明」「太陽光」「通信」「セキュリティ」など、大きな意味で、住宅で扱われるエネルギーやライフライン、暮らしそのものに関わり、計画を伴う工事自体のことです。

我が家の「設備」

我が家の設備は、「電気」「水道」「ガス」「空調」「照明」「換気」「通信」くらいです。

「換気」「空調」といっても最低限のもので、「空調システム」や「換気システム」とかは採用していませんし、「通信」といっても電話・TV・LANのことです。

その他「太陽光」などの自家発電や「セキュリティ」なども、イニシャルコスト優先だったので取り入れてません。(防音室もあったので……。)

「設備」について考えるタイミングと注意点

これら「設備」の事について、全く考えずに間取り等のプランを進めていくことはできません。もちろん扱う設備の種類や規模によっても違いますが、我が家の例として以下のような事が問題にならないか、特に最終段階では注意しながら進めていきました。

一般の方が考えるような内容ではないですが、マニアックな方は見てください(笑)。

・排気や換気のダクト経路に支障ないか

小規模な住宅内の設備配管の中で、たぶん一番 径の大きくなるのは、キッチン換気扇のダクトでしょうか(150㎜とか200㎜とか)。例えばキッチン換気扇が、外壁に接していない場所にあるときは、構造や間取り的に、天井などの懐に外壁までのダクト配管経路が確保できるのか。浴室やトイレ等の天井扇などのダクトについても同様です。さらに、耐火基準等によるダクトの被覆が必要であれば、さらに必要なスペースは増えます。

・排水管経路に不具合はないか

その次に大きくなるのは、汚水の排水管でしょう(床下を除けば、75㎜とか大きいものは100㎜だったり)。1階設備の排水管は、床下経由で建物周囲の地中を通って最終的な処理部分へ(ウチの場合は浄化槽)となるのが普通ですが、よく考えないといけないのは上階(2階・3階)設備の排水管です。

例えば2階トイレなどの排水管が地上まで降りる場合、「1Fの天井裏部分を通り外壁を貫通して、そのまま外壁づたいに地中まで降ろす」が1つのパターンです。ただこの際、2階トイレが建物の正面部分だったりすると、その外壁に露出した配管が意匠的に良くないという場合も多いです。そういった場合に、下階に設けられるのが「PS(パイプスペース)」という空間です。上階の排水管などが、構造等に干渉することなくスムーズに下階のPSを経由して床下まで配管できるように、間取り配置や構造を考える必要があります。

このPSは、排水管だけでなく、上階へ登る給水(湯)管やガス管、電気配線など、あらゆる設備経路に利用されます。2階や3階に水廻りがあり、設備配管が多くなるようななお家は、このPSの計画が特に重要になります。

個人的には、美観的な理由が無いのであれば、排水管はそれぞれそのまま外壁上を降ろしてくるほうが、全部室内部に配管してしまうより、メンテナンス的には良いとも思います。ただその場合も、外壁に出るまでの経路が構造に干渉しないかの確認は必要ですし、雨じまい的なリスクがその分ひとつ増えるので、一概には言えません。

あと、排水経路について言えば、1階の設備であっても、水廻りの配置がまずかったり、チグハグだったりすると、床下の配管や敷地の地中配管がむやみに多くなって、余計な費用がかかるとか、距離が長すぎて配管の水勾配が取れないとか、狭い敷地だと地中配管するスペース自体が無いとか、まぁいろいろ問題はあります。

・空調設備の配管や、室外機の場所は想定できているか

壁付けルームエアコンの場合ですと、その配管は冷媒管と排水管(ドレン)の2本ありますが、一番多いのは、新築後 室内機設置の際に、外壁を配管させて化粧カバーで覆うパターンです。ですがこれはエアコンが外壁に面して設置される場合で、例えば間仕切り壁部分に設置する場合は、そこから室外機までの配管経路を考えておく必要があります。また、外壁部に設置の場合でも、その外壁が正面の良く目立つ所で、外壁に配管を露出させたくない場合も同様です。

こういうのを「隠蔽配管」と言って、どこかまでを建物内で隠蔽配管して途中で外壁へ出すとか、床下まで隠蔽配管して基礎部分から室外機とつなぐとか、方法はいろいろです。特にエアコンの排水管(ドレン)は水勾配がシビアですので、隠蔽する距離が長くなるほど後々のリスクも高くなりますので、できれば避けたい所ですが、我が家では3箇所しております…。

あと、我が家は違いますが、天カセ(天井埋込型)はそれらが必須ですし、ダクトもあり、構造的な懐も必要なため、さらに事前の計画が必要です。

室外機の置き場所も、早い段階から計画しておいたほうが良いです。置けたとしても、機能が有効に働かない狭いスペースしかなかったとか、バルコニーからの足がかりになるような危険な位置にしか置けなかったとか、よく聞く話です。

・電気配線経路に余計なムダがないか

戸建て住宅の大体は、電柱から位置や高さ的に近い外壁の、たいがい2階部分に電気が引き込まれます(無電柱街区や引き込みポール使用の場合は除く)。そして建物内を通り外壁の電気メーター(電力量計、これは1階)につながり、そこからさらに分電盤まで行きます。そしてそこから各階に分岐していく訳です。分電盤に入るまでの配線を「幹線」と呼び、大もとの大きな配線が通っています。

建物への引き込み位置は大体決まってくるものですし、電気メーター位置も妙にこだわらなければ、引き込み位置からの上下関係が近く、かつ検針しやすい適切な位置となるのが普通なんですが、分電盤は、特に太陽光などが絡むとそのサイズ自体が大きくなり、間取り的に設置位置が限られてきたりします。そうなった時に、分電盤がメーターから妙に遠かったりすると、大きな配線が伸びて、余計なロスが生まれたりする訳なんです。

まぁこれらは、設計士さんなり、電気業者さんなりが、良きようにしてくれたり、確認してくれたりすると思いますが、特に分電盤が大きくて、その位置にこだわりたい場合は、はじめにその位置が可能かどうかを確認しておく必要があります。

・まとめ

このような要素は数えればキリがありません。扱う設備が多ければ多いほど、事前に検討する事柄は多くなります。我が家は違いますけど、「太陽光」であれば当然、建物の配置や屋根の形状だとか、「温水器」などの計画があるならその設置場所であるとか、「床暖房」があるならその配置と間取りや家具の関係とか…、それはもう建物によって様々です。

最後に

ぼくはこういった、構造計算や申請に出す以前に、検討して固めておく必要がある事柄(つまりは意匠計画ですね)を、自分でしなければいけなかった(というかやりたかった)だけで、通常はこのようなことを考えた上で計画を具体化していくのは、設計士さんです。

大手さんではあまりないかもしれませんが、ぼくが現場監督して現場を管理していた経験上思うのは、こういった事を事前にあまり深く計画できていないお家がけっこう多かったんですよね。特に「設備」絡みです。もちろん現場監督としては、図面を見てそれを知った時点で、「このままだと納まらないですし、こうなっちゃいますよ」とかやり取りはするんですけど、構造は変更できないから、後の祭りだったりとか。

で、施主さんが説明されてないような「下がり天井」とか「梁型」が出来ちゃったりして。レベルの低い話かもしれませんが、そういうのもよくありました。もちろん、予期できない事や、やってみないと具体的には何とも言えない微妙な場合も多々あるので、一概には言えません。でも、最低でも考えてさえすれば、事前に解消できていた事柄も多くあったと思います。

そういう意味で、一般の方にはマニアックな内容ですし、「設計士さんなら当たり前に考えてやってるだろ」と考えられるのが普通かもしれませんが、一応、「こういうふうな事も考えて計画しているんだな」と、漠然と知っておいてもらえるだけでも、もし後々そのような問題があった場面で、損は無いのではないかなと思います。

また、だらだらと書いてしまいましたので、それぞれの「設備」については、次回「仕様編」にてお伝えしようと思います。

読んでいただいてありがとうございました!