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第20話 計画編 『防音室』

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バンドイラスト

こんにちは。

今回は、我が家の「防音室 計画編」です。

興味のない方が多いと思われますので(笑)、その場合飛ばしてくださいね。

防音室の目的

以前書いたのですが、マイホームを建設する上で、「防音室」の計画はぼくの悲願でありました。当時、音楽は趣味でしたので(今でも大半趣味ですが)、それこそ普通なら、そんな理想はパートナーに一蹴されて終わると思います。ですが努力の末、なんとかその権利を勝ち得ることができました。それは、家族の居室を1つ失うという犠牲の上に成り立つものでもありました。

防音室の目的は、「音楽制作」のための、「音楽再生」や「楽器演奏やその録音」のためです。コンピューター内で完結する作業だけであれば、最悪ヘッドフォンでも可能ですが、「声や生楽器を録音する」「エレキ楽器など音の大きなものを鳴らす」という必要性があったので、一軒家とはいえ、よほど隣家と離れた田舎ではない限り、何らかの防音設備が必要でした。

それまでのマンション暮らしでは、何の対策もしていなかったので、当然そういった大きな音を出す事には無理がありました。でもたまに思い切って一発勝負で鳴らして録音するという迷惑行為もしたりしてました。恥ずかしながら一度、上か下の世帯から「ドン・ドン!」とされた事もありました、ホントにごめんなさい。そしてそういった自分勝手なストレスから開放されたいという思いが強くなっていったのがきっかけです。

防音室に求める性能

一口に「防音室」や「防音」といっても、その目的や方法は無数にあります。

すでに暮らしている住まいに対してであれば、「遮音材」「吸音材」を施したり、部屋の中に既製品の「防音ルーム」を設置したり。

でも新築するのであれば、最初から建築の一部として設備化するのが理想です。ぼくも戸建ての現場監督としては、「シアター(オーディオ)ルーム」や「ピアノ室」といったものには何度か関わりました。その場合の設計は、それぞれの目的に見合った性能を果たすために、簡易なものであれば建築の設計士が、ある程度以上の設備なら専門の方が、といった具合でした。

遮音性能を判断する基準として、D値というのがあります。音の大きさというのは、聴く人によっても、発生させる人によっても様々ですが、例えばピアノ室で鳴らすピアノの音の大きさを95dB(デシベル、音の大きさの単位)と設定します。そしてピアノ室の外側で聴こえるピアノの音を、気にならない程度、例えば40dBまで下げたいとします。その時に必要な性能が、95dBー40dBで、遮音性能「D-55」と表現される訳です。どこまで音を小さくしたいのかは、建物の周辺環境はもちろん、同じ家の中での聴こえ方というものについても考える必要があります。

で、ぼくの場合、これは悩んだのですが、さきほどのピアノ室よりもさらに性能を上げなければいけない要素がありました。「ドラム」です。ぼくはドラムについては、触れる程度で素人なんですが、どうせなら、ちょっとそれっぽい本物の音を録音したい時とか、友人などが遊びに来たときにちょっとした音楽スタジオのように使えたらという思いがあり、計画に組み込んでしまいました。もちろんその時はドラム等所有していませんでした。

一応、ぼくの現在の音楽環境を書いておきます。マニアックな方だけ見てください。

●制作環境

主にDTMでの音楽制作。マイクを使った、声や楽器のオーディオレコーディング含む。

●使用楽器

・エレキ、アコースティックギター

・エレキ、ウッドベース  その他弦楽器

・エレクトリックピアノ、シンセサイザー

・アコースティックドラム その他打楽器

などです。そもそも、予算的にも間取り的にも、ごく小さな空間しか確保できないのは分かっていたので、そこにドラムを置いても窮屈なだけだとも思いましたが、せっかくならという事で、遮音性能についてはそれらを想定して決めました。

最終的には、隣地に面する外壁(2面)側で、それぞれ「D-70」と「D-65」となるようにしました。詳しくはまた次の機会に…。

 防音施工業者との出会い

性能については打ち合わせの中で決めていったものですが、防音室の用途としては上記のような目的を持っていましたので、住宅建設業者に毛の生えた程度の、簡易な設計による施工では無理だと思っていました。

ドラムを鳴らすような防音室には、単に音を遮る構造以外に、音がほかに伝わらない構造が必要です。音は振動なんですね。そのためには壁はもちろん、天井や床ともに、建物とは縁が切れた空間を、部屋の中に作るという仕組みが一般的でした。

ぼくは「建築」と「音楽」に関わる人間ですが、「音響」は全く別ジャンルです。防音室を先述のような仕様にする時点で、「工務店」に勤めているからといって、情報や技術をかき集めて自分で何とかしてやろうという考えは捨てました。仮にノウハウを収集して、その工事作業自体を再現することは、工務店なんですからいくらでもできます。でも本当に、それが音響的に間違ってないのかとか、実際にやってみて、思った結果にならなかった時には誰が保証してくれるのか。そう考えると、音響のプロに頼む以外、選択肢はありませんでした。

その当時、工務店で「ぼく個人」が担当していた仕事の中では、そこまで専門的な業者さんと知り合う機会が無かったのもあって、まずは自分で業者探しを始めました。でも関西である程度実績のある会社というのは、そんなに選択肢が多くなかったんですね。で、大阪に営業所があり施工機能もある、某社を尋ねたんです。

そして、「ぼくはS社という工務店に勤めていて、自社で自宅を新築するんです。」なんて話をしていたら、「S社さんよく知ってますよ」というリアクション。実は、工務店の別の社員が担当していたハウスメーカーさんから直接仕事を請けていた防音業者さんだったんです。

あら、建築業界せまい。

はじめからその担当に聞けばよかった…。

というより、そういった住宅建築工事の一部として、連携して専門工事を行うこともできる業者さんが少なかったんですよね。

そんな訳で、「あ、いつもお世話になってます。」とか言いながら話は進んでいきました。

最後に

某社さんからしてみれば、住宅新築工事の中の特殊工事において、ぼくは「施主」であり「現場監督」です。普通でしたら、それらが同一人物ということはあまりないと思います。それが某社さんにとって、やりやすかったのか、やりにくかったのかは分かりませんが(笑)。

ぼくからすれば良かったと思います。新築工事の中に、こういった専門工事が組み込まれる場合、大事なのは段取りです。建築工事とは別のタイミングで行われるものなら別ですが、「防音工事」は、大工さんがいる真っ最中に、それと平行して一定期間作業し、電気など他の設備業者とも連携しなければいけません。そしてそれを段取り・指揮するのは現場監督です。

ですので、「防音工事の依頼者」として、そして「現場監督」として、それらを同時に現場で見ながらコントロールできたことは幸いでした。その分、そうとう苦労もしましたが…。

さてさて、このような感じで「防音室計画」は進んでいきます。

詳しい事は、また「仕様編」や「施工編」として、後日ご紹介したいと思います。

それでは、ありがとうございました!