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第17話 仕様編 『仕様決めについて』

仕様書画像

こんにちは。

今回は、「仕様編」と題しまして、我が家の仕様決めのあれこれなんかも書いていこうと思います。仕様も計画の一部なんですが、一応「計画編」とは分けて、平行させながら進めていこうと思います。

「仕様決め」とは、建物を構成する要素、例えば使われる材料や部材の種類や色、あるいはその工法なんかを指定することを言います。

これらは住宅の購入形態によって様々ですから、「売り建て」住宅の場合でしたら、一定の標準品の中からセレクトするとか、「注文住宅」でしたら、こだわるものすべてを1からセレクトするとか、どこまで何を自分で決めれるかは建築会社や設計事務所によって変わります。

ぼくの場合、勤めていた工務店にも標準仕様なるものがありましたが、特にそれに準じる必要もなかったので1から10まで自分で決めた訳です(もちろん奥さんも)。

仕様決めの流れとタイミング

「仕様」は、間取りなどのプランと平行して考えていました。なぜならプランに関係するからです。例えば、システムキッチンの種類や大きさ(I型なのかL型なのか、ペニンシュラなのかとか)や、システムバスの大きさとかは間取りに影響しますよね。住宅用サッシは規格品が多いですから、どんな種類のどんな大きさのサッシを選ぶかは、窓の計画にも必要です。

あと、建築確認の申請内容にもよりますが、防火に関わる「外装材」や「内装建材」、シックハウスに関わる「内装建材」や「内装材」、ほかには基礎の仕様や構造用木材の樹種など構造に関わるものも、確認申請に必要な事も多いです。細かな色や備品等は後でもいいですが、概ね何を使うかは申請までに決めておかなければなりません。これらの事柄が工事中などに変更になってしまうと、大きなものだと最悪、「計画変更」など再申請が必要で設計的な費用がかかってしまうパターンもあります。

つまりは、全部しっかり決めてから建築確認申請し、工事着工するのが、本来当たり前という事です。

すみません、説明臭くなってしまいました…。ですがまぁ、そんなにすべてが上手くいくとは限りません。我が家の場合も、例のごとく悩んだり、二転三転したりして、決めるのが後手後手になったり、土壇場になったりしました。

ぼくの当時の仕事というのは、その決まった仕様に基づいて手配し、その納期を確認しスケジュールに組み込む。そのためには、そもそもあるべきスケジュールに間に合うよう、設計さんや施主さんに「いついつまでにこれを決めてください」と、事前にきっちり段取りできる能力が必須でした。ぼくはその大変さがよく分かっている分、自宅は段取りよく進めたかったのですが、その反面、「これを決めるのは最悪ここまでは引っ張れる」という、現場監督ならではのシビアなタイミングも分かっていたので、結局「引っ張るだけ引っ張る」というような結果になってしまいましたが(笑)。

これらは自宅である事と、自分が管理している事が前提だった訳ですが、一応は以下のような事には気を付けながらやってました。

・順序

現場監督として当たり前ですが、実際の工事で、何がどの順番で使われるのかを分かった上で考えていかなければなりません。例えば、「基礎の完成までに、加工された構造木材が段取りできてないといけない」とか、「棟が上がったらすぐサッシや屋根材が要る」とかですね。

・納期

「順序」に間に合うように手配するためには、「納期」を逆算する事が必要です。今日仕様を決めたら明日現場にモノがあるとかなら最高ですけど、そんな訳ありませんよね。それが1週間なのか1ヶ月なのかを逆算して決めます。特殊なものなら2ヶ月以上とかもありますし。逆に言えば極端な話、「この壁紙なら2日あればいけるだろ」とかもありました。

あと、材料自体だけではなく、その材料を施工できる人間が求める時期に手配できるのか、また、いつ手配しないといけないのかも考えます。

・廃盤

これ結構よくあるのですが、その商品が「今カタログに乗っていても、1ヶ月後には廃盤になる」とか、「決めるのをいつまでも迷っていたら、いつの間にか廃盤になっていた」とか。そうならないように事前に情報を把握して(メーカーが急に決める事もありますけど)、廃盤になる前に材料を手配して在庫を押さえておく、という事も大事です。

我が家の仕様選びのご提案

施主さんがこういった住まいの仕様を決めていく際に、たいていは営業さんなり、設計さんなり、コーディネーターさんなりが、「どれにしますか?」とか「この中から選んでください」とか「こんなのどうですか?」という感じで提案やアドバイスをしたり、ショールームに同行したりする事が多いと思います。もちろん現場監督がこういった業務を兼任する会社もありますけど、ぼくの勤めていた工務店は、営業さん兼コーディネーターの方がやっていました。

ぼくが自宅を建てる際、会社に一定の利益を残す条件であとは勝手にやりなさい、みたいな感じでしたので、ぼくの担当の営業さんがいたりとか、何かを提案してくれたりする人はいなかったんです。外注の設計士さんに頼んだ事以外は、全部一人であれこれやっていました。

つまり何が大変だったかというと、「奥さん」への「ご提案」です(笑)。自分ひとりで決めるなら問題ないですが、そうではありません。水廻りや内装品のセレクトなどは奥さんが主役ですし、その他にしても奥さんの許可が必要です。で、どんな事をしたかというと、

・営業さんになる

日々、大量のカタログを会社から持ち運び、どんな商品があるのかとか、その費用の多寡について見積もりなどを提示したり、いついつまでに決めてくださいと、スケジュールを伝えたりする。

・コーディネーターさんになる

商品のメリット・デメリットについて説明したり、ショールームに同行し、詳細打ち合わせに関わったり、それらの現場との連携を確認する。

・設計さんになる

選定中の商品をパースなどに起こし、イメージを分かりやすくプランニングし、提案する。

パースキッチン

↑たとえば、キッチン後ろの棚のイメージがこんなのとか…。

これらの普段現場監督として、あまり専門的にはやらない事を何とかこなしたおかげで、奥さんに納得して選んでもらうことができた?ような気がします。でも、ぼくも通常業務の片手間で、夫婦という関係上馴れ合いもありますし、本当のプロが時間を使ってやる提案に比べたら、それらをおざなりにしてしまっていた感もあります。妻もよく、「本当の営業さんなら、もっと丁寧に相談に乗ってもらえたのに」とかこぼしていました(笑)。そういう意味では申し訳なく思っていますが、現場監督が自宅を管理しているメリットは少なからずあったと思いますし、結果的には満足してもらえたのでは?…と信じています(笑)。

さて、だらだら書いてしまいましたが最後に、我が家が決めていった仕様の流れついて、すごく大雑把ですが書いておこうと思います。

我が家の仕様決めの大体の流れ

・基礎および木構造部分の仕様

・断熱材や気密に関わる仕様

・サッシ

・電気、水道、ガス、空調、換気、照明など設備に関する仕様

・キッチン、ユニットバス、洗面化粧台、手洗い、トイレなど設備機器の仕様

・防音室の仕様

・屋根や外壁材などの、外部の下地・仕上げに使われる材料の仕様

・バルコニーなど防水に関わる仕様

・内部の下地に使われる材料の仕様

・内部の仕上げに使われる材料の仕様

・階段仕様

・照明、空調機器の仕様

・内部建具の仕様

・アクセサリー、備品の仕様

・外構工事の仕様

大きく分けるとこんな感じでした。もちろん我が家の例ですので、建てるお家によってこれらは様々です。

申請時に必要な大枠を先に決めて、詳細を工事の流れに沿って決めていったという感じです。

これらの仕様に関して、逐一悩んで決めた内容について、今後ご紹介していければと思います。

それではまた次回。ありがとうございました!