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第14話 計画編 『建築にかかる制限』

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本イラスト

皆さん、こんにちは。

今回は少し遡って、我が家の建物を設計計画していく際に、そもそもどんな制限や決まりがあったのかをご紹介しておこうと思います。

設計の素人とはいえど、これらを確認しながらでないと、せっかく考えた良いプランも法律や条例違反で建築できないということになるわけです。当たり前ですね(笑)。

我が家の場合では、簡単に大きく分けると以下のような感じです。法律や条例の詳しい解説は他にいくらでもありますので、我が家の計画にあたって、それらがどのような関係があったのかだけ、振り返っておきたいと思います。

用途地域

これは都市計画法というもので定められていて、建築基準法などの規制の度合いがこの地域の種類によって決まっています。我が家の場合は、「第二種中高層住居専用地域」という地域。

これを分かった上で、具体的にどんな規制があったのかを確認していきます。ほかに一般的には、高度地区など別の区分けもあったりしますが、それらは我が家には該当していませんでした。

ではそれぞれを見ていきます。

 

建物の大きさの制限(敷地と建物の関係)

・セットバック

土地の記事でご説明したのですが、そもそもこれがあります。敷地が、道路境界からどれだけバックして、建築基準法上の敷地面積がどれだけになるかをまず把握します。

・建ぺい率

敷地面積に対する建築面積の割合のことで、「用途地域」ごとにその限度が決まっています。我が家の「第二種中高層住居専用地域」は60%で、角地ですのでさらに「角地緩和」というものがあり、+10%で計70%でした。これを超えないように設計します。

ウチの最終的な建ぺい率は55%。緩和がなくて60%だったらちょっと危なかった…。

・容積率

敷地面積に対する建延面積の割合のことで、我が家の制限は160%まで。43坪の敷地ですので、延べ68.8坪のお家が建てれます。2階建てですし、そんな豪邸は建てれません(笑)。最終的には容積率は96%でした。大体40坪くらいの建物ということです。

つぎに、

 

建物の高さの制限(道路や地域などとの関係)

・道路斜線

これが一番ネックだったでしょうかね。ザクッとこんなイメージです。

斜線イラスト

(あくまでイメージです。実際には緩和もあって、絵とは少し違います。)

道路の反対側の境界線から、「用途地域」によって一定の角度の斜線が上がります。これに建物が当たってはダメですよというものです。つまり狭い道ほど、この斜線が建物に接近してくる訳です。セットバックするくらいですから我が家の前の道路もすごく狭い。

そりゃ誰だって道路になんて接近して家を建てたくないですけど、ウチみたいに敷地の奥行きが浅くて、変形していたら、どうしても部分的に建物が道路に近づきます。しかも我が家は角地なので、2方向の道路からの斜線があります。

で、どうしたかというと、「天空率」という、賢い人ができる計算があります(コンピューターですけど)。詳しくは省きますが、この計算が成り立っていれば、斜線は緩和されますよいうものです。ぼくは、立地的に道路斜線が絶対厳しいと思っていたので、最初から設計士さんに「天空率計算」をお願いする前提で計画してました。「天空率計算」は普通だと、別途その分の費用がかかると思います。

・隣地斜線

上記と同様の理屈で、隣地側の境界からの規制もありますが、これは我が家の地域では、境界線より空中に20m上がった地点から斜線が始まるので、高さ的に全く問題ありません。

・北側斜線

これは第一(二)種低層住居専用地域にかかる規制で、我が家の地域には該当しません。

・日影規制

これも我が家の地域では、高さ10mを超える建築物が対象でしたので、該当しません。

・絶対高さ制限

これも第一(二)種低層住居専用地域にかかる規制で、我が家の地域には該当しません。

そして、

・建物の仕様の制限(防火関係法令などとの関係)

・法22条地域

「用途地域」とは別に、防火の意味合いでの区分けもあります。規制が厳しい順に、防火地域、準防火地域、我が家のエリアはその下の「法22条区域」です。規制が無いエリアもあります。「法22条区域」には、「屋根は不燃材で葺き、外壁の延焼の恐れのある部分を不燃仕様にしなければいけない」という規制がありますが、現代のノーマルな(何がノーマルか分かりませんが)庶民的な住宅では大体そのような仕様になっている場合が多いです。

我が家では、外壁の一部に木板を張るという計画があったため、これについては行政に確認して仕様を決めました。

この「防火」について幸いなことが1つありました。さきほどの「防火地域」というのは最上の規制地域で、木造住宅ではあまり見かけないのですが、「準防火地域」はざらにあります。何らかの防火仕様にするという事は、その分の建築費が割り増しになる訳ですが、2014年頃まで、「準防火地域」で木造2階建て以下であれば、大抵は規制の無い地域に比べて、建築費にそこまで大きな差があるというものではありませんでした。

しかし2014年頃、住宅サッシ業界に防火設備に関するゴタゴタがあり、防火仕様に使われる「防火サッシ(網入りガラスとかのサッシのこと)」の価格が当時大阪で3倍近くまで跳ね上がりました(現在はどうなのでしょう)。例えば、全部で80万円の防火サッシが200万円とかなっていました。

それとほぼ時を同じくして、なんと我が家のある「藤井寺市」のほぼ全域に、「準防火地域」が制定されたのです!それほどぼくの住む「藤井寺市」という地域は、古い住宅が多く密集するエリアなのです。我が家の竣工は2013年で、さきほどのとおり建築時は「法22条区域」でした。なので、1年建築の時期が遅ければ、そのバカみたいな値段の防火サッシを搭載した自宅を建てざるを得なかったわけです。よかったぁ~…。

まぁ、現実的には、我が家もいつ延焼による火災(またはその逆のパターンも)に見舞われるか分からない訳で、あまりのん気な事は言ってられないですけども。

・窓の位置や大きさの制限(採光や換気についての決まり)

住宅には、その居室の大きさなどに見合った、採光や換気の量が建築基準法で定められており、それを満たすように窓の位置(高さ)や大きさを計画する必要もあります。よっぽど隣地境界に接近しているとか、外面にあえて窓を取らないなどの計画の場合はシビアになることもありますが、今回の場合はそうでもないので特に気にせず進めました。問題がありそうであれば別の方法もありますし、申請前であれば、致命的なものでない限り調整のきく事柄でしたので。

以上、我が家の建物計画にからむ、法的な制限についてご紹介しました。

次回は、計画のより根本的な要素で、書く順番が前後してしまったのですが、敷地に対する「建物の配置」について、我が家の例をご紹介したいと思います。

それでは、ありがとうございました!